RSGT2022が無事おわりました

御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで2022/1/5〜7に開催された、Regitonal Scrum Gathering Tokyo 2022が無事おわりました。

2022.scrumgatheringtokyo.org

私は引き続き実行委員として関わらせていただいています。

オミクロン株の影響で徐々に感染者数が増えているなか、無事開催できたのは、参加者の方々が現地に参加するにしても感染対策を怠らないこと、また昨年に引き続きハイブリッド開催によってオフライン/オンラインが選択できることによって、状況をみつつ参加者の方がオンラインを選択してくださること、みなさまのご協力によるものだと思います。ありがとうございます。

現地で参加された方は引き続き体調面に気を配っていただき、もし体調が悪い等見受けられましたら、実行委員までご連絡いただければと思います。

さて、私はというと、今回は4日間、オンラインでのスタッフ業となりました。

昨年は現地いたので、初めて全日程オンラインでの参加になったのですが、現地にいるのとはまた違う体験ができたので、ふりかえってみたいと思います。

トランシーバーがあって助かった

現地スタッフは各人トランシーバーを持ってやりとりをしています。

トランシーバーは携帯電話の通信回線を利用しているため、全国でつながります。昨年まではスタッフがリモートになることがなかったので、あまりメリットを享受できてなかったのですが(大崎でやっていたときは1Fのコンビニでもつながるねー、ぐらいだった)、昨年リモートスタッフにも使ってもらったところ問題なく使用できました。

リモートのスタッフのことも考えてトランシーバーの回線と相互通信できるアプリがあるっぽいということで、いつもレンタルさせていただいている業者さんに相談していたのですが、まだ対応していないとのことで、今年はあらかじめリモートのスタッフに郵送の対応をしていただくことができました。大変感謝です。

こうして、リモートの私でも現地の様子や、現地で対応が必要なものに関してスムーズにお願いしたりすることができました。これがないと、オンラインのテキストベースでのやりとりになり、リアルタイム性も落ちてしまいますし、誰かがオンラインの情報を常に見続けなければならなくなってしまいます。

また、去年から通訳会社さんもリモートになっており、今年は通訳会社の方にもトランシーバーを持っていただきました。昨年は私が個人の携帯で電話対応していて、周りに状況共有できず(大体緊急対応のため時間がない)、一人でバタバタしていたのが、今年はトランシーバーでやりとりすることによって、スタッフへの共有、撮影班への連絡も同時に行えて、一人で仕事を抱えることなく、誰かに助けを求めるのも簡単になりました。より情報の透明性が高くなり、わりと人依存であった通訳会社さんとやりとりもチームで動けるようになりました。通訳会社さんも含めてチーム感が増した感じがします。

ハイブリッドでやるからには、オンライン側のスタッフが必要

昨年私は現地にいて、今年と同じく通訳会社さんとのやりとりや当日メールなどで来た問い合わせの対応をしていました。よく考えると、大体の時間スタッフルームにいて、オンラインの作業をしていたように思えます。

ハイブリッドになったことによって、Discordの対応、Slack、メールの対応、リモートの通訳会社さん対応、Zoomの通訳音声チェックなど、オンラインで対応することも増えてきました。現地のスタッフは会場づくりや、受付、セッションの対応、お弁当やお茶を出したりで、常にオンラインをチェックできるわけではありません(PCを持っていることのほうが稀)。そうなると、オンライン側の対応が疎かになってしまいます。ハイブリッドで開催する場合は、最低1人はオンラインのチェックをする必要があると思いました。

mogiri神

mogiriとは、Discordの受付BOTです。eventbriteのオーダー番号を入力すると、eventbriteにそのオーダーがあるか確認してくれ、あればDiscordのロールを付けてくれます。1stバージョンは川口さんが作ってくださり、それから品川アジャイルのメンバーでアップデートしているようです。

昨年は、手作業で上記の作業をやっていました。これだけでオンライン側の作業が終わってしまうぐらい、まぁまぁ大変な作業でした(しかも単純作業)。これが昨年mogiriが開発され、Discordの受付が自動できるようになったことによって、オンライン側の作業がだいぶ軽減されました(作業量だけでなく、早くやらなきゃ、という心理的負担も減りました)。もしこの受付作業が今年も手動だったら、オンライン側のスタッフは1人じゃ回らなかったと思います。mogiri神!!最高!!ありがとうございます!!!

ただ、これもはじめから自動化するのではなく、まずは手動でもいいから始めてみて、どんな作業が必要なのか見極めた上で、あとから自動化する、という、とてもアジャイルなアプローチだったと思います。こういうアプローチが何も説明しなくても自然と受け入れられる組織はなんというか、とても居心地がよいです。

ハイブリッドOSTの試み

毎年、Day3はOST(Open Space Technology)が開催されます。

OSTは参加者同士のディスカッションになるため、オフラインとオンラインをどう繋ぐかが昨年からの課題でした。実行委員もハイブリッドにしたいという想いはあったものの、当日のガヤガヤした環境の中での実験など、そこまで手が回らず、Jabraを用意するぐらいで、当日を迎えたという状況でした。

そんなこんなで当日の朝(OSTが始まる1時間前ぐらい)、川口さんが「Day2までの部屋の構成をそのまま使えばハイブリッドになるのではないか」と言いはじめました。「確かに」と。

そこから、川口さんはZoomのミーティング作成、品川アジャイルのメンバーは配信構成の設定、横道さんと私はMiroの修正(部屋と枠のマッピング)、Discordの設定、と、バタバタとハイブリッド環境が試せるように準備しました。準備でみなさまをお待たせしてしまったのは裏でこんなことをしていたからです。空きの時間つないでくださった方々ありがとうございました!

少々みなさまを混乱させてしまったかもしれませんが、ハイブリッド構成を試せてよかったなと思います。ハイブリッドを試してくださった方からは「Jabraが周りの音声を拾って現地の声が聞こえづらかった」などの声がありました。Jabraも特に設定の調整をしていませんので、調整したらもっとよくなるかもしれません。私が参加した部屋設備での構成はわりとスムーズに現地とのやりとりができていたように思います。その他にも、オフライン/オンラインそれぞれでディスカッションすればよいのではないか、という意見もありました。このあたりは、今年の実験結果をふまえて、みなさんと一緒にどうしたらハイブリッドで皆がOSTを楽しめるのか、考えていければと思っています。

それでもやっぱりさみしいリモート

Day1で川口さんが「カンファレンスは友達に会いにいくところです」と言っていたように、私もRSGTはみなさんに会いに行く場所でした。直接お話しするのが楽しいですし、RSGTでしかお会いしない方もいて、「お久しぶりです!元気ですか?」みたいな会話をするのが1年を始めるための心のチャージ、みたいなところがありました。

今回現地に行けなかったことによって、やっぱり現地は楽しそうだなぁ、いいなぁ、と思う気持ちがなかったか、といいえば嘘になります。しかし、この状況のなか、現地に行かないという選択をしてくださった参加者の方にも、オンラインだからって何かを諦めるような、そういう気持ちにはなって欲しくないなと思いつつ、何ができるのか考えていました(だからと言って現地に参加している人が全力で楽しむことは止めたくないし、後ろめたい気持ちになってほしくない)。

私の今回のオンライン体験をふりかえってみました。

  • Day0(準備日): トランシーバーでのやりとり。ただ、現地がどういう状況なのかは流れてこないため、これまでの経験で、今これやってるな、というのを想像しながら、待機
  • Day1:OSTの打ち合わせでDiscordボイスチャットを使う。ビデオもつないでくれ、スタッフの顔が見れて嬉しかった
  • Day2:
    • スタッフワークも落ち着いてきたので朝会をZoomでつないでもらう 
    • もろもろの対応が落ち着いてきたのでセッションに参加。セッションが終わったあとZoomが切れてしまう(Zoomを落としてしまうというわけではなく、会話とか、会場の様子がみえなくなる)ことに寂しさを感じる
    • よく考えると、現地ではオンラインのことまで頭が回らないので、オンライン側から積極的にこうして欲しい、という要求をするべきだと思い返す
  • Day3:
    • 朝会をZoomでつないでもらう 
    • Day2までの気持ちからOSTで「ハイブリッドでもっとギャザるにはどうしたらよいか」というセッションをする。ここで初めて雑談チックな話ができて嬉しかった
    • スタッフのクロージングではつないでほしい旨をこちらから言えるようになった
    • スタッフクロージングではトランシーバーで各人話してもらう。私はZoom参加。Akiさんが全員の顔を写してくれ、初めてスタッフ全員の顔が見れた

実行委員でも、現地のメンバーに「何かこれをやってください」って言いづらいんです。皆が忙しいのがわかってるから余計に、なんですよね。

昨年はオンラインの方が多かったのもあって、Discordが盛況で、今年は寂しかった、という意見もありました。昨年はKANEさんや森さんが廊下を中継してくださったり、オフラインとオンラインをつなげて盛り上げてくださいました。スタッフとしてはそこまで手が回らないので、とてもありがたかったのですよね。

来年はiPadをさらにたくさん置いたりして、現地の様子を流したり、雑談できる場所を増やせたらよいなと思っています。ただ、いまのスタッフでは手が回りませんし、オンラインとの繋ぎに関して言うと、ずっとそちらを気にしているメンバーが必要だと考えています。そのための報道班を作ろうか、みたいな話もあります。

何が言いたいかというと、協力してくださる方募集です!!実験もそうですし、必要な機材があればご相談いただければなんとかできる可能性が高いです。我こそは、という方、お待ちしております!!!

さいごに

ハイブリッド開催2年目で、参加者のみなさんのハイブリッドリテラシーがだんだん上がってきているなと実感しました。とはいえまだまだ伸びしろがあるので、みなさんと一緒にさらにオフライン/オンライン両方の参加者が楽しめる場にしていきたいです。

また、今回、スポンサーのみなさま、会場、撮影担当のオレンジボックスさん、品川アジャイルのメンバー、通訳会社さん、通訳の方、ボランティアスタッフ、参加者のみなさま、すべての人の協力によって成り立っている場であると再認識しました。いつもご協力ありがとうございます!!

今後も、みなさんにとって楽しめる場になるように、やれることをやっていく所存であります。